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2月26日、圏央道の茨城区間(境古河IC~つくば中央IC)が開通! これで東名・中央・関越・東北・常磐・東関東道の6つの高速道路がつながり、都心を経由せずに行き来できるようになりました。

これは、首都圏の高速道路において画期的&歴史的な快挙! 渋滞にイライラすることが減って、おでかけがますます楽しくなりそうですね。

そこで気になるのが、他の国の高速道路。形は日本と違うの? 渋滞対策はどうしてる? 速度制限は? 料金は? などなど、意外と知らない世界の高速道路事情を紹介します。

都心部の交通混雑は、世界の大都市共通の悩みです。混雑対策として各地で環状道路が整備されていますが、その形は都市によってさまざまです。

日本:東京大都市圏 都心部にクルマが集中する都心一点集中型

都心部に近づくほど高速道路網の密度が高くなる、極端な都心一点集中型の構造です。これは、1963年に計画された、「3環状9放射」ネットワークによるもの。東名・中央・関越・東北道など放射方向の高速道路が整備されて都心へのアクセスが向上しましたが、環状方向の高速道路はまだまだ整備途中。都心に用のないクルマまで都心環状線を通過しなくてはいけないため、慢性的な渋滞を招くことに。これからますます圏央道をはじめとした環状道路の整備が進んで、都心の渋滞が解消されることが期待されます!

イギリス:ロンドン大都市圏 都心部に入るクルマに1,000円課金で混雑が30%減少!

ロンドンでは、往復6~10車線もある広域環状高速道路で、都心部を通過するクルマを迂回させる渋滞緩和対策が行われています。さらに2003年からは、ロンドン中心部に乗り入れるクルマに「ロードプライシング」という課金制度を実施。平日の7:00~18:30の間に課金区域内で車両を運転するドライバーは1日5ポンド(約1,000円)を支払います(タクシー、緊急車両などを除く)。この結果、課金区域内の混雑は平均で30%も減少。バスの遅延時間も30%減少といううれしい結果に。また、交通によるCO2排出量は19%、燃料消費量は20%減少。課金はちょっとイタイけど、時間短縮にも環境にもいいなら納得ですね!

※2003年2月時点の為替レートで計算。

中国:北京大都市圏 6重構造で北京名物の大渋滞&大気汚染の解消へ

北京市内を6重にもとり巻く環状高速道路は、世界の大都市圏で最も理想的な整備状況といわれています。また、2017年中には7重目となる「北京七環路」も開通の見込みだとか。北京といえば、視界不良で高速道路が閉鎖されるほどの深刻な大気汚染や、世界最悪レベルといわれる交通渋滞で知られていますが、環状高速道路の整備が進むことで都市部に流入するクルマが減り、これらの軽減が期待されています。

アメリカ:ニューヨーク大都市圏 「環状」というよりも「網状」? ツギハギの高速道路

ニューヨーク大都市圏の高速道路ネットワークは、世界でも早い1930年代に着工。長い歴史の間にツギハギ状態にどんどん延びて、環状高速道路というよりも、「網状高速道路」になっています。かつては都心部のマンハッタン島を一周する都心環状高速道路が存在したのですが、海が近いために塩害で一部の高架高速道路が崩壊。現在、その跡地は一般道路となっています。

昨年、現在100km/hと決められている日本の高速道路の最高速度を、一部区間で120km/hに引き上げるというニュースが流れました。移動時間の短縮にはうれしい情報ですね。でも、世界では最高速度がもっと速い国がたくさんあるのです。アメリカは州によって112km/h~136km/h。中国・韓国は120km/h。ヨーロッパ諸国は110km/h~130km/h。ただし、ロシアなどの「運転免許を取得してから2年未満の者は70km/h」、リトアニアの「冬季(10月1日~3月31日)は110km/h」といった制限がある国も。最も速いのはポーランドで、140km/h。ちなみに、速度制限がないことで有名なドイツのアウトバーンですが、現在では安全性やエコの観点から、全体の半分くらいの区間が最高速度が130km/hに定められているそうです。

アメリカの都市部の高速道路には、「HOVレーン」という専用道路があります。これは「High Occupancy Vehicle」の略で、2人以上が乗っているクルマだけが走ることができます。これは、通勤時の渋滞を緩和するために、同乗者の数を多くすることによってクルマの数を減らそうというもの。ワシントンDCのHOVレーンは片側2車線あり、しかも最高速度は他の車線よりも10km/h以上高い設定になっています。いわば、通勤快速の高速道路版。これなら、友達や家族と乗り合わせて、あわただしい朝の通勤時間帯をスイスイ走りたくなりますね。

2010年、スイスの高速道路で、スピード違反として世界最高額となる、日本円で約8,700万円の罰金が課されたことが話題になりました。違反者は、当時37歳のスウェーデン人男性。最新鋭のメルセデスベンツ(約1,900万円)を約300km/hで走らせていたとのこと。スイスでは、超過速度だけではなく、なんと違反者の所得も罰金額に反映されます。よって、違反者の1日当たりの収入(約29万円)x300日分ということで、合計約8,700万円が課されることになりました。スイスでクルマを運転する際は、スピードにはくれぐれもご注意を!

※2010年2月時点の為替レートで計算。

世界の多くの国では高速道路料金が原則無料!有料なのは日本のほか、フランス・イタリア・スペイン・ポルトガル・中国・韓国など少数派だと知っていましたか?中でも日本の高速道路料金は世界一高いといわれています。その理由は、国土交通省によると、日本は山岳地帯が多いうえに耐震構造を取る必要があるため工事費用がかさみ、土地代も高額だからとのこと。とはいえ、山岳国のスイスでは、高速料金は14か月乗り放題でたったの40スイスフラン(約4,500円)。日本の高速道路は、通行料で道路建設費・管理費を賄う「償還主義」のために料金が高くなっているともいわれています。

※2017年3月1日時点の為替レートで計算。


いかがでしたか?海外旅行先でも、高速道路に乗る機会は意外と少ないもの。旅行の際には高速道路もチェックしてみると、お国柄や国民性が垣間見えておもしろいかもしれませんね。

また、日本の道路は通行料で作られている、まさに「国民みんなで支えている道路」。圏央道をはじめ、今後もどんどんつながって便利になっていく高速道路を使っておでかけしてみてはいかがですか?

【参考資料】

高速道路を使ったおでかけにおすすめ!
圏央道の最新データを掲載した地図

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