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夏といえばビール!だけじゃない?「夏に飲む日本酒」がブームとなっています。ここ数年、多くの酒蔵から「夏酒」として夏向けの日本酒が発売されているんです。今回は、利き酒師の佐藤真貴子さんに、おすすめの夏酒と、その楽しみ方をレクチャーしていただきました!
 

◉プロフィール
佐藤 真貴子(さとう まきこ)
大学時代に新潟県の八海醸造の蔵元と接する機会を通じて、造り手の日本酒に対する想いの強さに共感し、日本酒業界に飛び込むことを決意。大学時に利酒師の 資格を取得。現在は地酒とスローフードをテーマとする「日本酒スローフード方舟」の運営会社、株式会社セオリーの広報担当として、さまざまなイベントにて 「地酒と食の魅力を伝える活動」を行っている。

夏に飲む日本酒がひそかな人気を集めていることをご存知でしょうか?近年、季節を問わず日本酒の人気が高まってきたことや、技術革新によりデリケートな日本酒の保存や流通に対する制約がなくなったこと、また多くの酒蔵で世代交代が起こり、若い杜氏や蔵人が酒造りを担うようになったことなどから、かつての日本酒のイメージを覆すような新しくてユニークな日本酒が数多く造られるようになりました。そのひとつが、夏に飲む日本酒、いわゆる「夏酒」です。
暑い夏はすっきり・さっぱりした酒が好まれるため、長らく夏と日本酒のイメージが結びつけられることはなかったのですが、実は夏にぴったり合う日本酒はたくさん造られているのです。普段は「夏といえばビール!」という方も、今年は、キリッと冷えた日本酒で乾杯してみましょう♪



今回は利き酒師の佐藤真貴子さんに、夏の日本酒の楽しみ方を教えていただきました!
 
利き酒師とは?
利き酒師は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が育成・認定している資格です。ワインにおけるソムリエのように、日本酒の知識、提供方法、もてなし方などの知識を備えたまさに「日本酒のプロ」。
お客様の好みに合せた日本酒を提案したり、食べ物との相性をアドバイスしたりといったことも得意としています。

 

さて、「夏酒」といっても明確な定義があるわけではないのですが、選び方としてはまず見た目ですね。季節感のある見た目のものはまず間違いありません。
選び方というとラベルの情報を見て…というイメージかもしれませんが、多くの蔵元さんは店に並んだ時の見た目までしっかりこだわっていますから、見た目が味のイメージといっても過言ではありませんよ。
ほとんどの夏酒はブルーや透明の瓶で、ラベルも夏らしいイメージや涼やかなモチーフが使われていますから、夏向けだな、とすぐにわかると思います。日本酒のことがよくわからない!という方は、「ジャケ買い」のようなつもりで、まずは見た目で選ぶというのもよい方法だと思います。
 
一般的に「夏酒」として売られている日本酒の特徴は大きく分けて2つあります。
 
1, あっさりした飲み口の生酒
「生」の表記があるのでわかりやすい!
 
一度も加熱殺菌処理をしていない、「生酒」だからこそ味わえる、清涼感あふれるみずみずしい味わいや爽やかな香りは夏にぴったり!酒の中でまだ酵母が生きているので、若々しい味やフルーツのような香り、またシャンパンなどのような発泡感がある場合もあります。日本酒ビギナーの方はラベルに「生酒」や「吟生」などと書いてあるものを選べばよいのでわかりやすいですよ。ただし「生原酒」といった風に「原酒」という言葉が入っていると、加水をしていない酒になるのでがっしりした味わいになります!気をつけて見てみてください。
生酒の特徴として、どんどん発酵が進むので開栓してもしなくても味が変わりやすい、という点は注意したいところです。必ず冷蔵保存して、開けてから7日間くらいで飲みきってください。
ただ、味の変化は生酒のよさのひとつでもあります。開栓1日目ではまだ尖って飲みにくかった味が、3日目くらいには丸みが出て美味しく飲める、という場合もありますよ。「何日目がおいしい!」というのを発見すると嬉しいですね。飲みたい日に一番美味しくなるよう前もって開栓しておくこともあります(笑)。
また、生酒の場合、夏に飲むときの適温はおおむね10℃前後といったところでしょうか。それより上だと味が濃くて苦みが出てしまうことがあるかもしれませんし、冷やしすぎると香りや甘みが飛んでしまうことがあります。ちなみにそれを「酒が風邪をひく」と呼んだりしますね。
ただ、これも一概に10℃にしておけば間違いない!とは言えません。10℃前後を基準にして、酒の個性や自分の好みに合わせて調節してみてくださいね。
 
2, ガツンとした味わいの濃い目の酒
  
こちらには「吟醸」の表記が
 
もうひとつの夏向きの酒は、個性も味も強い、パンチのある日本酒。冷やしすぎない方がよい生酒と比べると、こちらは酒の味が強いからこそ、しっかり冷やしたほうが美味しく飲めます。
そもそも、日本酒のベースには甘味があり、そこに旨味、苦味、酸味、塩味、そして香りといった要素が混じり合って、その酒独自の味わいを構成しています。温度や器などの環境が変わることで、要素が強調されたり弱まったりして味わいが変わるのです。
味の個性やアルコール度数が強い酒の中には、しっかり冷やすことで、酒の持っている苦味や酸味が弱まり、逆に甘味や旨味が引き立つ、といったものがあります。例えば10〜12℃だとアルコールが強くて飲みにくく感じるけれど、オンザロックだと丁度よく旨味が引き立つような酒はまさにこのタイプ。冷凍庫で氷点下まで冷やして、うだるような暑い日にぐっと飲む。日本酒にはそんな楽しみかたもあるんです!
 
※日本酒の作り方や種類、呼び方についてはこちらでご紹介しています。
 

日本酒で「遊んでみる」ともっと楽しい!

 
日本酒は、そもそも種類がたくさんある上に、飲み方によって味の感じ方が大きく変わるものです。さらに個人の好みもありますから、一概に「これがおいしい」「これはおいしくない」という評価ができるものではないと思っています。
だからこそ、一つの日本酒でおおいに「遊んでみる」ことをおすすめしたいと思います。
例えば、日本酒はソーダ割りにしても美味しいということをご存知でしょうか?「そんなことして、蔵元さんに怒られない?」なんて言われることもありますが、実は蔵元さんが推奨している場合もあるんですよ!
割ったり、混ぜたりの他に、飲む温度を変えてみるのも遊び方のひとつです。普通は温めない生酒をあえて温めてみたり、開栓して何日目がおいしいか調べたり、いろいろな種類のグラスで飲んでみたり…。ぜひ、日本酒で遊んで、自分の好きな飲み方を見つけてみてくださいね。

 



さて、今回私がおすすめするのは、私も大好きな新潟県、富山県、石川県、福井県の4県の酒です。これらの地域の酒は淡麗・辛口が基本。すっきりとした飲み口で暑い夏に冷やして飲むのにおすすめなんです!
ぜひ飲んでみていただきたい酒とおすすめの飲み方、そして肴をご紹介します。


夏酒1本目にはこれ!松乃井 スーパー本醸造(新潟県)
 

新潟県・十日町市の松乃井酒造場さんは、地元重視の姿勢を貫き、今でも大半が地元消費されていることでも有名な蔵元さんです。
このスーパー本醸造は、本醸造の造りでどこまで大吟醸の味に迫れるか、をテーマに作られているそうで、吟醸酵母を使っているので香りがものすごく豊かです!水菓子のような甘みとキレの良さは日本酒ビギナーにも、日本酒好きにも間違いなくおすすめですね。
おすすめの温度は5℃〜10℃くらい。ただ、いろいろな温度で飲み比べてみるのもよいと思います。単体でも美味しいですが、夏野菜との相性も抜群!私は野菜のてんぷらと一緒にいただくのがお気に入りです。

  
ぜひ、夏野菜のてんぷらと合わせて!

蔵元 松乃井酒造場

新潟県を旅するなら!

 

名称 スーパー本醸造
原料米 五百万石・こしいぶき
精米歩合 58%
アルコール度数 18度
おすすめ温度 5℃〜10℃ 常温でも◎ 


こちらもおすすめ!松乃井 吟醸越淡麗
 

こちらは夏酒としてリリースされているわけではないのですが、暑い夏の日にぴったりな酒です。
一般的に吟醸酒には香りが華やかで味わい、キレがよいので暑い日もすっと飲める、という特徴がありますが、こちらはそこに、酒米の個性も加わり、香りと味わいが一層深まった印象です。吟醸越淡麗に使われている「越淡麗」とは、新潟県が15年もの歳月をかけて開発したオリジナルのお米で、淡麗とはいいつつも、香り、酸味、味わいをしっかり出してくれます。こちらも冷やして飲んで欲しい一本です。

  
夏の味覚・鮎との相性も抜群です!

蔵元 松乃井酒造場

新潟県を旅するなら!

 

名称 吟醸 越淡麗
原料米 新潟県産酒造好適米 越淡麗
精米歩合 50% 
アルコール度数 15〜16度
おすすめ温度 5℃〜10℃


開けてからの変化を楽しむ 若鶴 光DESIGN(富山県)
 

見た目も涼やかなこちらは若鶴 光DESIGN 吟醸生貯蔵酒といいます。
生貯蔵は火入れしないまま貯蔵するという方法で、生酒の独特の風味がのこる仕上がりになるといわれています。デザインからも伝わってくるように。シャープでキレがあり、洗練された旨みのある酒です!
私個人の感想ですが、開けたての時は少し硬く、アルコールの強さからくる辛味が伴います。ですが、開けて2、3日たつとその辛味が抜けて、甘味が立ってくる、その味の変化を感じていただけると思います。何日目が一番好きか、なんて考えてみるのも楽しいと思いますよ。
家でゆっくり飲むのが好きな日本酒好きの方にプレゼントするのもおすすめです。辛口で男性好みな味ですが、酒好きな女性にも喜ばれそうですね。
おすすめの温度は5〜6℃です。

  
「私は開けてから3日目くらいが好きですね」

蔵元 若鶴酒造

富山県を旅するなら!

 

名称 光DESIGN 吟醸 生貯蔵酒
原料米 富山県産 山田錦
精米歩合 55%
アルコール度数 15度
おすすめ温度 5℃〜6℃
 


みんなでワイワイ楽しみたい!夏ちくは(石川県)
 

夏限定の「夏ちくは」はしっかりした味わいで夏にぴったりの辛口生酒です!これはとにかくラベルが可愛いですよね。さざ波のようなボトルカット、ラムネ瓶のような水色、金魚のイラストなど、夏のイベントを彩るのにもってこいの酒だと思います。
ここは杜氏さんがいらっしゃらないという珍しい蔵です。平均34歳の若い蔵人が集まって、意欲的にいろいろな酒を出したり、こんなふうに可愛らしいラベルや瓶のデザインをしたり、地域貢献にも力を入れていらっしゃる蔵ですね。
この酒が面白いのは可愛い見た目からは想像できない、パンチの強いガツンとした味わい。氷点下レベルでキンと冷やして飲んでいただきたいです。
加水していないのでアルコールの強さがあるのですが、しっかり冷やすことでそれがなくなり、しかも旨味、甘味が感じられるようになります。するっと飲めてしまうので、飲みすぎには注意です(笑)。みんなで集まった時、パーティーやBBQの時に飲んで欲しい酒ですね。ロックで飲むのもおすすめです!


 
ガツンとした味わいには濃厚な牡蠣との組み合わせがおすすめ!

蔵元 数馬酒造

石川県を旅するなら!

 

名称 竹葉 本醸造 夏ちくは
原料米 能登産五百万石・加工米
精米歩合 65% 
アルコール度数 18度
おすすめ温度 氷点下〜5℃ ロックでも◎ 
 



唯一無二の香りで通好み!安本酒造 白岳仙(福井県)
 

紹介する中でも一番香りに特徴がある酒です。燻製のようなスモーキーな香り。私が知る中でもこんな香りのものは他に知りません。白岳仙の中でもこの吟生 吟醸生酒はビリビリするようなキレが特徴の辛口の酒。それでいて飲み口がきれいであとを引く旨味があります。
白岳仙を造っている安本酒造さんは「食べながら飲む、または、飲みながら食事の出来る日本酒(食中酒)」をモットーとしていますから、こちらもぜひ食中酒として、枝豆やてんぷら、あとはさっぱりした鳥肉などと一緒に召し上がって欲しいですね。
かなり通好みな印象ですが、男女問わずこの香りには驚いていただけると思いますから、是非一度飲んでみて欲しいと思います。
日本酒好きな大人の男性向けのギフトにはもちろん、普段はあまり日本酒を飲まない方やスモーキーなウィスキーが好きな人にも試してみて欲しい一本です。

  
枝豆など定番のつまみもぐっと美味しく!

蔵元 安本酒造

福井県を旅するなら!

 

名称 白岳仙 吟生 吟醸生酒 
原料米 福井県大野産 五百万石
精米歩合 55%・58%(麹米・掛米)
アルコール度数 15〜16度
おすすめ温度 氷点下〜5℃ ロックでも◎
 

シーンに合わせて器を変えてみよう!
 
日本酒を飲むときの器はどんなものを使われていますか?普通のグラスでも良いのですが、やはり日本酒用の器を使ってみていただきたいと思います。選ぶときには見た目だけでなく、手のひらで包んだ時の重さや器の厚みなどにも着目してみてください!今回は、夏酒にぴったりな3種類の器をご紹介します。

切子猪口
私のおすすめは切子です!見た目にも爽やかですし、縁が薄く口に当たった時に存在感を持ちすぎないので、どんな酒も美味しく飲めます。

錫猪口
熱伝導が良く味わいも冴える錫製のお猪口。冷酒だけではなく燗のときにも使えます。ひっくり返すと富士山型のデザインもお気に入りです。

ガラス猪口
数百円程度で安く揃えられるガラスの猪口は、多少分厚くても割れにくいのが良いところです。気軽にみんなでワイワイ飲む!というときにはもってこいです。
 

 

酒には、その土地の背景が色濃く反映されるものだと思います。
例えば、私の大好きな新潟県の八海山という酒は、いつまでも長く飲んでいられる、飲み飽きのしない味が特徴ですが、そんな味になった背景には「外出できないほど雪が降りしきる日に、あたたかい室内で仲間と長く楽しくいつまでも飲めるように」といういわれがあるんです。こんな風に、実は酒の特徴にはその土地の人たちの暮らし方が反映されているんです。
以前海外からのお客様で、東京の居酒屋で飲んだ酒を気に入って、翌日に蔵元さんのところまで訪ねて行った、という方がいましたが、飲んだ酒をきっかけに、その酒が生まれた土地に行ってみる、という旅の仕方も素敵ですよね。杜氏に会って色々と話を聞いたり、その蔵でしか飲めないものを味わったり、もちろんその地方の美味しいものと一緒に飲んだりする経験は得難いものになると思います。
保存や流通の技術が進歩して、日本中どこでも手に入るようになった酒もたくさんありますし、それはそれでとても素晴らしいことですが、やはり地産地消にこだわる酒蔵も多いんです。鮮度という面もありますが、その土地で、その土地の食材と合わせて飲むと、やっぱり抜群に美味しいんですよね。
場所、温度、器、そして肴。それに加えて、そこでしか見ることのできない景色、そこでしか聞けない話が、酒をもっともっと美味しくしてくれるはずです。全国津々浦々、酒蔵はたくさんありますから、ぜひ旅に出て欲しいと思います。
 
 

美味しく飲むために!
日本酒を買ったら守って欲しい3か条

 
1, 冷蔵庫で保存、これは絶対! 
もうかなり認知されているとは思いますが、日本酒の保存は冷暗所、冷蔵庫での保存をおすすめします。日光や蛍光灯光は酒の成分を変化させてしまうのでできるだけ避けてください。箱に入れる、新聞紙で包むなどで対策を。特にお酒の中に菌が生きている「生酒」は要冷蔵です!
 
2, 明けた後は1週間で飲みきる! 
日本酒は一度開けると酸化や発酵でどんどん味が変わってしまいます。一度栓を開けたら基本的には1週間で飲みきるのが美味しく飲むためのコツ。もちろんその間も冷蔵庫で保存してくださいね。
 
3, 空気に触れさせないよう注意すると長く楽しめる!
できるだけ空気に触れさせないようにするためには、まずは「縦向きで保存」。また、ワイン用として市販されている空気抜きを使って栓をすると、開けたての風味をより長く楽しむことができます。
注ぎ口にラップをして輪ゴムで止める方法もお手軽でお勧めです!

 

 
 

日本酒は知識がなくても楽しめますが、「もっともっと美味しい日本酒を飲みたい!探したい!」という方は、ぜひ日本酒の作り方や種類についても知っておいていただきたいと思います。ここでは、簡単に日本酒のことをご説明します!

 
日本酒は米・水・麹からできている!
日本酒とは、米と水・米麹から造った「醸造酒」です。お米のでんぷんを麹菌が糖に変え、その糖が酵母の力でアルコールになる…と言っても、なかなかイメージがしづらいかもしれませんね。
日本酒の作り方をごくごく簡単に説明してみましょう。
まず、酒を作るための酒米を蒸して、3つに分けます。ひとつには麹菌をふりかけて発酵させて「麹」を作ります。もうひとつには麹と水、酵母を加えてこちらも発酵させ、「酒母」を作ります。
酒母を大きなタンクに移し、残りの蒸した酒米と麹と水を混ぜ合わせ、発酵させます。この発酵中の液体を「もろみ」と呼びます。これを搾った液体が酒に、残った固体が酒粕になります。
 
通常はこの酒をろ過したり、火入れ(※)と呼ばれる加熱殺菌を行ってから低温で貯蔵・熟成させます。最後に熟成した酒を瓶に詰め、ようやく日本酒が完成します。
「麹」や「酒粕」などは食材として知っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ともかく、日本酒は米・水・麹というシンプルな素材から、手間暇をかけて作られています。また、これらの素材、手順、温度、期間などをさまざまに工夫することで、蔵元ごとの個性豊かな酒が生まれるのです。
 

※火入れとは?


火入れとは、出来上がった酒を加熱すること。直接火にかけるのではなく、多くの場合60〜65℃くらいのお湯で間接的に加熱します。火入れをすることで酒に含まれる酵素の働きを止めそれ以上発酵しないようにします。また、酒の香りや味わいを悪くする菌の殺菌という意味合いもあります。
ちなみに火入れは、通常2回、貯蔵用のタンクにいれる前と、瓶詰めをする前に行われます。火入れの回数によって、出来上がった酒の呼び方が変わり、それぞれ
一度も火入れをしない酒…生酒
瓶詰め前のみ火入れを行った酒…生貯蔵酒
貯蔵前のみ火入れを行った酒…生詰酒
と呼ばれます。
 

 

「大吟醸」ってどうして高級なの?お酒の種類と呼び方について

純米大吟醸 精米歩合50%以下、醸造用アルコール添加なし。
大吟醸酒 精米歩合50%以下、若干の醸造用アルコールを添加。
純米吟醸酒 精米歩合60%以下、醸造用アルコール添加なし。
吟醸酒 精米歩合60%以下、若干の醸造用アルコールを添加。
本醸造酒 精米歩合70%以下、若干の醸造用アルコールを添加。
純米酒 精米歩合による規定なし。醸造用アルコール添加なし。

精米歩合とは、日本酒を作るときにお米をどれくらい削ったか、という指標です。酒造りの場では米を「削る」のではなく「磨く」という言い方をすることが多いのですが、例えば精米歩合が30%だとすると、1粒のお米の70%を磨き、残った30%部分だけを使って酒を仕込むということです。
せっかく作ったお米の70%を使わないのですから、当然贅沢な酒ですよね。ですから大吟醸酒は高級品というイメージがあるのです。お米を磨くのは、米粒の表層の脂質やたんぱく質などを取り除くためです。脂質やたんぱく質も旨味や苦味などの「味わい」として酒の重要な要素になるのですが、あまり多いと「雑味」となってしまうためです。
また、醸造用アルコールの添加には、より香りが豊かになったり、味わいを整えたりする効果があります。精米歩合と醸造用アルコールの添加の有無とで、酒の名称は分かれているのです。
 
これ以外にも、日本酒には様々な種類、呼び方、専門用語がたくさんありますが、それについては酒蔵の方や販売する酒屋の方、提供する飲食店の方に色々と話を聞いてみていただきたいと思います。日本酒をきっかけに、みなさんに新たな発見や楽しみ、出会いがあることを願っています。
 
 

取材協力:方舟 銀座インズ店

 

アクセス
〒104-0061 東京都中央区銀座西2-2 銀座インズ2-2F
03-3563-8333
 
イベント情報
【第145回 蔵元を囲む会】
「若手イケメン蔵元を囲む会」 in アトレヴィ五反田店
開催期間:【予約承り中】2016年7月23日(土)18:00~20:00(予定)
新潟県・富山県・石川県・福井県の4県の食と酒がコンセプトの和食店「方舟」が主催する「蔵元を囲む会」。今回ご紹介した数馬酒造をはじめとした蔵元からのゲストたちと、酒と料理を楽しむことができます!

【第146回 蔵元を囲む会】
新潟県菊水酒造×KURAMOTO STAND×方舟 大吟醸 いろりランチコラボ
http://www.hakobune-ceory.com/event/event/2130.html
開催期間:【予約承り中】2016年7月31日(日)12:00~15:00
「発酵」がとりもつ、「酒と食と縁」。
ダブル発酵食品「さかすけ」、菊水酒造の「酒粕」を使った料理長考案スペシャルランチを菊水酒造のお酒と一緒にお楽しみいただきます。
 
 
●お酒は20歳になってから。
※未成年者の飲酒・および飲酒運転は法律で禁じられています。
※妊娠授乳期の飲酒はお控えください。
 
 

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