MAPPLE×新しいスタイル

家の中で過ごす時間が長いこの春。これを機に地図の世界に飛び込んでみませんか?単に目標地点への到達ツールだけではなく、地図は住んでいる街の意外な一面、いつかは行ってみたい地域のトリビアも、語ってくれるのです。そこで今回は、地図屋ならではの知恵を絞った、地図で紐解く都道府県の「トリセツ」シリーズをご紹介します!

地質や鉄道、歴史好きに喜ばれる「トリセツ」シリーズ

南北に長く多数の島々からなる日本には、各都道府県が持つ多彩な特徴と魅力が詰まっています。もしそうした地域の持つアレコレを地図で読み解いたら・・・という発想から誕生したのが、こちらのマップエンターテインメント企画本「トリセツ」シリーズ。2019年9月末、『神奈川のトリセツ』が先陣を切って以降、千葉、福岡、兵庫、宮城・・・新作が続々と登場しています。

カタカナのタイトルから受ける印象と中身とは、少しギャップを感じるかもしれません。「トリセツ」シリーズは、ポピュラーなグルメ、観光視点ではなく、地学的視点、鉄道、歴史、産業など、地域のバックボーンや全体像と現在に至るいきさつ、トリビアに目を向けていく、総合的な内容を盛り込んでいます。

上記の画像でお分かりになりますか?「トリセツ」シリーズの特徴の一つは、各県ほぼ同じ構成で組まれること。「絶景『空撮』グラビア」からスタートし、「Part1:地図で読み解く○○の大地」、「Part2:○○を駆け抜ける鉄道網」、「Part3:○○で動いた歴史の瞬間」、「Part4:○○で生まれた産業や文化」と大まかに4つに分けられ、さまざまな種類の地図を使いながら解説していきます。

そんなところまでわかるのか!各県の初耳秘話に沸く「トリセツ」

同じ問いを投げかけながらも、各県から返ってきた「答え」が全く違ってくるのが、「トリセツ」シリーズの面白いところ。

共通企画の鉄道路線図ページを並べてみると、こちら『福岡のトリセツ』の「令和コスタ行橋駅」、「今川河童駅」など一度聞いたら忘れられない駅名もあれば、『神奈川のトリセツ』の急カーブを描く路線にも目を奪われます。普段何気なく乗換案内アプリ頼りで利用している鉄道に限っても、この本で見ると意外な新発見があったりします。

読み比べはもちろんのこと、気になる地域もしくは地元の一冊を読むだけでも、その土地の初耳トリビアが面白いほど身につきます。

例えば仙台の愛称「杜の都」。文字通り木々の生い茂る緑豊かな都市という意味ですが、実は『宮城のトリセツ』によると、シンボル定禅寺通の緑まぶしいケヤキ並木に由来したわけではなく、町割りと武士の暮らしに関係していたことが小さな驚き。

また最近、古墳に夢中になる「古墳女子」が話題となっているように、今古墳がアツいです。世界遺産に認定された「百舌鳥・古市古墳群」や「石舞台古墳」など、大阪や奈良にあるものが名高いですが、実は古墳の数が全国で一番多い県は、兵庫なのです。全国の約12%を占めるその理由を『兵庫のトリセツ』で探ると、ヤマト王朝時代にこの地方が置かれていた思いがけない状況が見えてきます。

「トリセツ」シリーズに新たに『愛知のトリセツ』が仲間入り!

シリーズの最新刊は、2020年4月、つい先日発売された『愛知のトリセツ』。

名古屋駅の逸話やトヨタ自動車創業者の物語、“愛知の県民性”も地域によって違いがあることなど興味深い話ばかり。何より、戦国三英傑の出身地としても知られる愛知県には、歴史上の人物にまつわるエピソードが溢れています。「応仁の乱における最大の激戦は三河国の守護職争いだった!?」、「周辺の地形から探った桶狭間の戦いの実像」、「家康の清洲越しが行われた背景とは」・・・。『愛知のトリセツ』のページをめぐりながら、改めて歴史をおさらいしてみてませんか?
>>『愛知のトリセツ』について、詳しくはこちら

読み物として面白い「トリセツ」シリーズ

地図を片手に、思わず行って確かめてみたくなる情報を満載する「トリセツ」シリーズ。個性豊かな面々が揃っており、読み物としても楽しめます。いつか現地におでかけできる日を想像しながら、じっくりと本を読む時間が取れるこのタイミングで、ぜひ一冊、手に取ってみてくださいね。

  • amazonでチェック
  • 楽天ブックスでチェック