登山記録をはじめ、計画を立てられたり、掲示板で交流したり、登山愛好家なら知らない人はいない登山専用コミュニティサイト「ヤマレコ」。運営している的場さんも、もちろん登山愛好家の1人です。そんな的場さんに、自身が山に魅了されるわけ、それから登山ブームの現状や、登山で気をつけるべきこと、今後の展望などを語っていただきました。登山人口が増える今、安全に楽しく登山をするためには一人ひとりの意識が大切になってきています。そのあたりのお話もぜひ参考にしてみてください。
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山に登り始めたのはいつ頃からですか?
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的場さん(以後的場):
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子どもの頃から山に連れて行ってもらっていたと思うのですが、特に記憶に残っているのは小学校4年生ぐらいのときに富士山に連れて行ってもらったことでしょうか。早朝のまだ薄暗いときから始めて、その日の夜までかけて登った記憶があります。まだ子どもで体力的にはつらい登山だったと思うのですが、「楽しかった」イメージだけが残っています。そのあと近場の山に登ったり、上高地で穂高を見た際に「あの山は登れる山なんだよ」と教えられ、いつか登ってみたいと思ったりしていました。そのあたりが影響したのか、高校までは陸上部だったんですけど、大学では誰に誘われるでもなくワンダーフォーゲル部の門をたたいていました。
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「ヤマレコ」はどういう思いで立ち上げたのでしょうか?
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的場:
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その後は「カモの会」という社会人山岳会に入っていて、そこで会報制作の担当をしていたんです。メンバーから写真や文章を集めて冊子を作っていたんですが、それが結構大変で。各自で登録できるシステムがあればと思い、「カモレコ」という会員専用のサイトを作ったのが始まりです。この輪が一般の人にも広がるとおもしろいことになるんじゃないかという感覚で、趣味の範囲として「ヤマレコ」を立ち上げました。今でこそ遭難を防止するという位置づけでいろいろ活動をしていますが、もともとは「作ることが楽しい」という純粋な気持ちから生まれたものです。