MAPPLE×新しいスタイル

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数年前から続いているパワースポットブーム。特に、神社仏閣は女子旅の目的地として人気です。伊勢参りや出雲大社参りといった特定のスポットを訪れたり、様々な神社仏閣をめぐって御朱印を集めることを趣味にしたりと、歴史や自然を感じながら旅を楽しむスタイルはもはや女子旅の定番ですよね。そんな今、実は「お遍路ガール」が増えているんだとか!?

現代のお遍路は、まわり方の自由度も高く、お寺めぐりを通して四国の豊かな自然や観光名所を楽しめる「ゆるりん」なスタイルもOKだってこと、知ってましたか?今回は、現代女子におすすめの「ゆるりんお遍路」についてご紹介します!

 

「お遍路」とは、約1200年前に弘法大師(お大師様)が歩いたという四国に88ヶ所ある寺(札所)をお参りすること。「四国八十八ヶ所めぐり」ともいわれます。88ヶ所すべてを巡礼することで煩悩が取り除かれ、ご利益があるといわれています。

「お遍路」というと、弘法大師(お大師様)が歩いたという88ヶ所の寺(札所)を数十日かけて歩く「歩き遍路」のことをイメージする方も多いのではないでしょうか?この「歩き遍路」は、もちろんお遍路の一つの方法ですが、実はお遍路には「一度に88ヶ所すべてをまわらなければならない」「徒歩でまわらなければならない」というような絶対の決まりがあるわけではないんです。

現代のお遍路のスタンダードは「区切り打ち」といわれる巡礼方法。「区切り打ち」は、期間や区間によって88ヶ所を何度かに分けてまわる方法です。「区切り打ち」なら、観光や旅行のついでに、週末や休日を使って気軽にお遍路にチャレンジすることができます。

また、徒歩以外にも自転車やバイク、車、公共交通機関や、ツアーバスなどを使った巡礼も立派なお遍路。電車やバスと徒歩の組み合わせなど、自分の好きな方法でまわることができます。

お遍路のルールについて大きく分けると、「服装」「持ち物」「参拝手順」の3つがあります。お遍路のルールは諸説ありますが、ポイントさえしっかり押さえておけば、自分らしいスタイルでお遍路にチャレンジできますよ!

服装は基本的に自由!伝統的な白装束(左)はハードルが高い、という方は、お遍路中だけ袖無しの白衣を身につけるスタイル(中)や、一般的な登山ウェアに金剛杖だけを持つスタイル(右)でもOK。金剛杖のカバーをカラフルなものにしてもいいですね。

ポップなカラーのマウンテンパーカーに袖なしの白衣、菅笠の代わりにおしゃれな帽子。金剛杖のような、お遍路に必須のアイテムは押さえつつも、ウェアやシューズなどの素材や色は自由に、おしゃれや快適さを追求したスタイルが人気です。

必ず持っておくべきものは①念珠、②経本、③納経帳、④納札、⑤お線香、⑥ろうそく、⑦着火具、の7つだけ。販売を行っている札所もあるので、巡拝途中でも購入することができます。かさばらないようひとつの袋などにまとめておくと便利ですね。

参拝方法は4ステップ。普通のお寺と少し違うので基本だけでも覚えておきましょう。

お遍路は一年中楽しむことができますが、特におすすめのシーズンは春と秋。なかでも、3〜5月、9〜11月の間は、四国の海、山、川などの豊かな自然をじかに感じられ、郷土の幸を味わうことができるまさにベストシーズンです!気候のよい時期を選ぶことで、遍路道や寺(札所)を彩る花や紅葉を楽しみながら無理なく歩くことができます。

また、10月中旬には愛媛県で西条まつり、11月には香川県で善通寺の空海まつりなどのイベントもあるので、タイミングを合わせて訪れるのもいいですね。

お遍路では、県ごとに区切ってめぐることを「一国参り」といいます。駅や空港から近い場所もあるので、行きやすい場所から「一国参り」をやってみる、というのもおすすめの始め方。

ここでは、各県ごとに立ち寄ってみたい魅力的な寺(札所)をピックアップしてご紹介します!

徳島県 第1番札所 霊山寺:一番さんと親しまれる発願の寺

第1番札所の霊山寺は四国遍路の始まりである「発願の寺」として「一番さん」の名で親しまれています。「一番」ということもあり、多くのお遍路さんに出会えます。また、約1400kmにも及ぶ長い旅を始めるにあたっての授戒とお説法を受けることもできます。(予約制有料)

高知県 第37札所 岩本寺:美しい天井画と5つの御本尊が魅力のお寺

第 37番札所岩本寺の本堂天井には575枚にものぼる美しい「天井画」が!これは、1978年に本堂が建て直される際、県内外の約400人の描き手(プ ロ・アマ問わず)によって描かれたもの。カラフルな色彩が目を楽しませてくれます。また、ここは四国霊場で唯一5仏の御本尊であることでも有名です。 (「不動明王」「聖観世音菩薩」「阿弥陀如来」「薬師如来」「地蔵菩薩」の5仏)

愛媛県 第55番札所 南光坊:四国で唯一四天王が山門を守る「坊」

第 55番札所の南光坊は四国霊場88ヶ所の中で唯一「寺」ではなく「坊」という名称の札所です。(「坊」とは、僧侶が修行以外の生活を行うところの名称)ここでは、四天王像がいらっしゃる山門を見ることができます。今治駅から北に10分程度とアクセスしやすい立地で、お遍路さんだけでなく地元の人々が気軽に 訪れ、お参りする場所となっています。

香川県:第66番札所 雲辺寺:標高900m超にある天空の札所

  阿讃山脈の雲辺寺山(標高927m)にある雲辺寺。四国霊場中最高峰に位置することから別名「四国高野」とも呼ばれています。境内は古木に囲まれた厳かな 雰囲気で、およそ1200年の歴史を持ち、弘法大師が刻んだといわれる秘仏「千手観音菩薩像」が本尊としてまつられています。ロープウェイを使えば山麓駅から山頂駅までわずか7分という所要時間で、まるで別世界のような場所に訪れることができます。

お遍路中でも甘いものが食べたい・・・!そんなときにおすすめの、道中に立ち寄れるおいしいスイーツをご紹介します。

 

徳島県:おやすみ処門前 一番街さんのあわくった (左上)

第1番札所 霊山寺門前。粟とコシヒカリで作られたお餅は素朴でほっとする味わいです。

高知県:1×1=1さんのアイスクリン(右上)

第31番札所 竹林寺から約5km。アイスクリンは高知で昔から親しまれているシンプルなアイスで、甘さ控えめのあっさりした風味が道中の疲れを癒してくれます。

愛媛県:10FACTORY松山本店さんの生絞りみかんアイス(左下)

第51番札所 石手寺から約3km。新鮮なみかんを使った、みかん専門店ならではの絶品アイスが味わえます。

香川県:清水屋さんの八十八名物ところてん(右下)

第79番札所 天皇寺からすぐ。国産天草を使用し、江戸時代から手作りを貫く昔ながらの味わいのところてんは程よいコシとほのかな磯の香りを楽しむことができます。

 

週末からでも気軽に始められるゆるりんお遍路のお供には、「まっぷる はじめてのお遍路」がおすすめです!
本誌ではお遍路の概要や歴史、実際にお遍路に行くための交通手段や持ち物・服装の準備などを詳しくご紹介!札所の近くや途中にある観光スポットや各地のグ ルメ、休憩にぴったりな日帰り入浴施設なども掲載しているほか、各県ごとにさまざまな旅プランをご紹介しているので、自分にあったプラン設定も簡単です。付録 は取りはずせる全ルート大判地図。統一縮尺で、全行程の距離感を地図上で把握することができます。

ライフスタイルに合わせてできるゆるりんお遍路。この秋、さっそく始めてみてはいかがでしょうか?

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