2025年12月27日、大阪市のレンタルスペース「RANATAIL 南森町」にて、小学3年生以上を対象にしたワークショップ「オリジナルデザインの地図を作ろう!」が開催されました。同年12月14日に東京会場で行われたイベントに続く第3弾で、大阪では初めての開催となります。今回は、東京カートグラフィックの村松和善さんと、昭文社の広報担当者が講師を務めました。
イベントには小・中学生あわせて5名が参加し、今年の思い出を振り返りながら自分だけの地図作りに挑戦しました。その様子をお伝えします。
※2025年12月14日開催の東京会場のイベントの様子は、以下の記事で紹介しています。
⇒https://www.mapple.co.jp/blog/27314/
|| 講師
村松 和善(むらまつ かずよし)地図のデザイン・制作・オンラインショップを展開する「東京カートグラフィック株式会社」に勤務。そのかたわら子ども向け地図イベントを主催している。
竹内 渉(たけうち わたる)昭文社ホールディングス広報担当。元地図編集部。
村松さん(以下、村):
みなさん、こんにちは。私は村松と申します。東京カートグラフィックという、地図や地図グッズを作っている会社から来ました。会社で働くかたわら、「地図地理エンタメプロデューサー」という肩書きで、全国で地図や地理のワークショップを開いています。
竹内(以下、竹):
昭文社ホールディングスで広報を担当している竹内です。以前は地図を作る仕事をしていましたが、現在は広報として、テレビやラジオなどに出演し、地図のおもしろさを伝えています。今日はよろしくお願いします。
村:
今日はペンとシールで「万博の思い出マップを作る」というワークショップです。万博の地図を中心にしていますが、ほかにもいろいろな地図を用意しています。地図をデコレーションしながら、楽しく作っていきましょう。

<講師の村松さんより今日のイベントの説明がありました>
村:
では、今日使う道具を確認します。ペンや色ペン、いろいろなシールがあります。持ってきた道具を使ってもいいですし、ここにあるものを使っても大丈夫です。机にはすでに、地図に重ねた半透明のトレーシングペーパーがマスキングテープで留めてあります。これから、この上に描いていきます。

<まずは地図に慣れるための練習です>
村:
まずは練習です。みなさんに配ったのは、梅田周辺が載っている昭文社の地図です。これを使って、地図を見る練習をしていきましょう。

<地図の中から6つのものを探しましょう>
村:
これから言う6つの場所やものが、地図のどこにあるか探して、丸をつけてみてください。ミスタードーナツ、カンテレ(関西テレビ)、お初天神、Y字路、税務署と教会、そして国道1号線です。
竹:
道路は種類によって色が決まっています。国道はオレンジ色なので、その色をヒントに国道1号線を探してみてください。
村:
国道1号線は、梅田新道交差点で終わっていて、同時に2号線が始まる場所でもあります。交差点にはモニュメントもありますよ。また、教会はこの地図では十字のマークで描かれていますが、国土地理院の地図にはない記号です。
竹:
国土地理院の地図は「地形図」といって、学校で習う地図記号が載っています。一方、この地図は昭文社が作っているもので、一部の記号が違います。ミスタードーナツなどのチェーン店のロゴが載っているのは、民間企業の地図ならではですね。
村:
それから、地図屋の目線で気になるところですが、「税務署」は地形図ではそろばんの記号で表されている一方、昭文社の地図では「官公署」という国の機関を表す記号で描かれていますね。
竹:
そうです。

<税務署と官公署の地図記号。昭文社の地図ではどちらも官公署で表している>
村:
そうした違いに注目しながら地図を見ると、よりおもしろくなりますね。今はパソコンやスマホで地図を見ることが多いですが、今日は紙の地図をじっくり見る練習として、いろいろなものを探してもらいました。

<高速道路をなぞってみましょう>
村:
次は高速道路です。地図の中から高速道路を見つけて、なぞってみましょう。色は濃い緑です。
竹:
昭文社の地図では、高速道路の看板と同じように緑色で描かれています。ただし、主要地方道という道路と色が似ているので、商品によっては高速道路を紫色にしているものもあります。

<鉄道がどこを走っているか調べましょう>
村:
では次に、鉄道をなぞってみましょう。JR、私鉄、地下鉄の路線がそれぞれいくつもありますので、わかるところだけで大丈夫です。
竹:
梅田周辺は、鉄道がとても多いですね。これまでのイベントでは、路線ごとに色を変えて描いている人もいましたよ。
村:
今は練習なので、間違えても大丈夫です。自由に描いてみてください。
竹:
地図は、鉄道だけ、道路だけというように、種類ごとに分けて見ていくと、だんだんわかるようになります。僕自身も地図作りを学んだとき、ひとつずつ分けて考えることで、はじめて理解できました。今日はみなさんにその体験をしてもらっています。

<公園や大きな建物を探しましょう>
村:
最後に、公園や大きな建物をなぞって、それらの名前も書き込んでみましょう。
竹:
昭文社の地図では、ホテルは水色、デパートは薄い黄色というように、建物の種類で色が決まっています。今はパソコンで地図を作っていますが、僕が入社した30年ほど前は、このような形で原稿を描いていました。資料を見ながら、透明なシートに細いペンで描いていたんです。
村:
昔は、間違えたところをカッターの先で削り落として、直していましたね。では、練習はここまでにしましょう。
竹:
家に持ち帰って続きを描いても大丈夫です。その場合は、トレーシングペーパーの四隅に鍵カッコのような目印を書いておくと、あとで地図と位置を合わせやすくなります。
村:
ここからが本番です。今日は「万博の思い出マップを作る」というテーマなので、万博会場の地図を用意しています。そのほかにも、難波、天王寺、USJ、垂水ジャンクションの地図も用意しています。
竹:
トレーシングペーパーには表裏があり、ツルツルした面が表、ザラザラした面が裏です。一般的にはツルツルした面のほうが描きやすいですが、どちらの面を使っても問題ありません。

<後半はいよいよ、オリジナル地図作りにチャレンジ>
竹:
みなさん、字がとてもきれいですね。建物の真ん中に水平に文字を横書きすることを「横打ち」といいますが、特に教えていないのに横打ちできているのもすごいですね。建物の縁取りも丁寧に描けています。
村:
本番に入って、みなさん夢中になって描いていますね。集中して取り組めているのが、とてもすごいと思います。
竹:
万博会場の大屋根リングをしっかり塗っている人や、水部を水色で塗っている人もいますね。集中すると、会場が静かになりますが、それでまったく問題ありません(笑)。また、シールを貼ることで、一気に地図らしくなりましたね。
村:
うちの会社でも、都道府県ごとの偉人や食べ物、お祭りなどをテーマにしたシールを作っていますよ。

<村松さんから万博の思い出話がありました>
村:
ここでお知らせです。今日作った地図や、ご自宅で新たに作った地図を、写真に撮ってメールで送ってくれた人には、昭文社オンラインストアの商品から選んでいただいた商品を1冊プレゼントします。ぜひ頑張って、応募してみてください。それでは、そろそろ時間ですので、一度手を止めてください。
竹:
続きは家で描いても大丈夫です。今日は、みなさんがここまで描けることにとても感動しました。きれいに描けたことや、シールを貼って楽しかったことが、思い出としてよみがえる地図に仕上がったと思います。本日はありがとうございました。
村:
ペン以外の道具は持ち帰って大丈夫です。国旗シールもまだありますので、ぜひ使ってください。それでは、本日はご参加いただき、ありがとうございました!

<どれも見応えのある地図になりました>
今回のワークショップでは、地図を「読む」だけでなく、「なぞる」「描く」「飾る」という体験を通して、地図の奥深さや楽しさを感じていただきました。参加者のみなさんが高い集中力で取り組み、それぞれの視点で地図に向き合う姿がとても印象的でした。
完成した地図には、万博の風景やその日の体験、描いているときの気持ちまでもが重なっています。このイベントが、地図をより身近に感じるきっかけとなり、日常の中でも「地図を見る目」が少し変わる機会になれば幸いです。
執筆:稲垣 宏樹(旅行書ライター、Webライター)

おなまえ:白石 舜人さん
ご本人コメント:行ったパビリオンを思い出しながら、
朝5時に起きて、夜8時半までいたのに、まだ行きたい!
心に残っているのは「アオと夜の虹のパレード」の噴水ショーと、
広報からのコメント:詳しさ、細かさ、にぎわい、そしてミャクミャクのシール…
コラムやコメントまで書かれていて、
地図があると、思い出がよみがえりやすいですよね。

おなまえ:安本 一翔さん
ご本人コメント:日本の数多くのJCTの中でも、
こうして地図を書いてみると、漫然と地図を見ているよりも発見があり、
広報からのコメント:丁寧に塗り分け、縁取った線に加えて一口メモを地図上に書いていただき、すばらしい
地図の基本である線、面、注記(文字)
現代の地図からこの地域の過去まで読み取っているところがさらにイイですね。地図には過去から現代にいたる人の営みが示されており、その重なりを読み解くことで地域を深く知り、愛することに繋がると思います。
これからもたくさんの地図、描いていってください!


おなまえ:井上 桃李さん
ご本人コメント:万博は何度でも通いたくなるくらい楽しかったので、
広報からのコメント:当日も熱心に描いていただきましたが、
青:行ったパビリオン、施設
赤:フードを楽しんだパビリオン、施設
緑:両方を楽しんだパビリオン、施設
ゴールド:大屋根リング
それぞれに色分けされているとのこと。ご自身でルールを作り描き分けているところはプロ顔負けです。
さらにジオラマも作っていただいて、これも本当にすばらしいですね。思わず周囲の人に見せてしまいました。日時計や大屋根リングの完成度が凄いと評判でした。一生の宝物ですね♪
※2025年12月14日開催の東京会場のイベントの様子と作品は、以下の記事で紹介しています。ぜひそちらもどうぞ。
⇒https://www.mapple.co.jp/blog/27314/