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思い立ったらすぐ行ける、ちょっと贅沢な旅を提案するガイドブック『大人の小さな旅』シリーズが好評を博しています。そこで実際に本を販売していただいている書店での動向はどうなのか、今回は代表して5書店の担当者にご参加いただき、緊急座談会を決行。書店員ならではのリアルな意見がたくさん集まりました。

参加者(左から)
旭屋書店 書店営業部 仕入統括課 有藤 誠
リブロ 企画室MD 昼間 匠
三省堂書店 営業本部 営業企画室 内田 剛
有隣堂 店売事業部 高橋由美
紀伊國屋書店 新宿本店 第一課 遠藤貴弘

有藤:
『大人の小さな旅』シリーズについての書店の反応、ということで実際に売り場を見てきたんですが、大人の旅というジャンルについては、昭文社さんはじめ、JTBパブリッシングさん、宝島社さん、ぴあさん、京阪神エルマガジン社さんなど、非常に多く参入しております。書籍に関してもいくつか見受けられて、ある程度旅行本市場のなかではコーナーとして独立したものになっているとは考えています。
昼間:
私が今いる売り場でも、「大人の旅」で一つの売り場が作れるぐらいのラインナップが揃っているので、カテゴリーとしてもしっかり確立されていると思います。
高橋:
買われる層が「大人」だとなんとなく特定されているのもいいですよね。旅の本全体の購買層って、時期によって結構変わってくるんです。夏休みだと学生さんとか若い人が多いですし、9月頃を過ぎるとOLさんが増えたりして。みんな休みのタイミングで、実際に旅に行かれる直前に購入しているようで。
遠藤:
その点、『大人の小さな旅』シリーズは日帰りなど短期間でのおでかけが提案のメインになっているので、時期の影響を受けていないというところが、売上が伸びている理由かもしれないですね。大人は時期に関係なくでかけるので。
内田:
気軽に行ける、という部分が刺さっているというのはあると思います。

高橋:
だいたい店頭に置いてあるのをぱっと手に取ってくれているのは50代以上の方が多いですね。
有藤:
百貨店にある店舗なんかは特に顕著ですね。
遠藤:
男女比でいうと半々かなという印象もあるんですけど、よくよく見るとちょっとだけ女性の方が多いかもしれないですね。
高橋:
もしかするとご夫婦で行くというよりも、お友達と行くという女性の方が多いのかもしれないですね。ターゲット層で考えると、じっくりと計画を立てる旅よりも、日帰りでさっとでかけられる提案の方がハマっていると思います。あと、載っているお店は高級店が多いですよね。
内田:
女性同士ででかけているっていうのはあるかもしれないですね! あとお金の使い方がシビアな分、普段の生活は切り詰めても、どうせ旅行をするならちょっと贅沢、お金をかけている。本誌にある「少し贅沢」というところがポイントですよね。
昼間:
日帰りだったら泊まらなくてもいいから、他にお金を使えますしね。
高橋:
女性の方が財布の紐を握っていますしね。ちょっと旦那がいない間に、ちょっと遠出をしていいランチを食べに行く、みたいな(笑)。
有藤:
ランチが9000円するお店など、割と高価格帯で、「贅沢」という言葉がターゲットに合っているように思います。ゆとりのある大人の層には最適の1冊ですよね。

高橋:
『大人の小さな旅』シリーズのいいところは、まず字が大きい。とても読みやすい配慮ですよね。
有藤:
あと写真がすごくキレイ。ビジュアルがいいです。写真の撮り方がすごくうまい。
内田:
今絶景本とかすごく売れるんですけど、行きたくなるなぁという気持ちが強くなる写り方をしていると思います。どういうところが本を買う後押しになっているかと言うと、この値段で贅沢な気持ちを味わえるということ。実際8月の三省堂書店 神保町本店での旅行本コーナーの売上1位はこのシリーズでした。
昼間:
ムック本で900円という値段は買いやすいですよね。実際あまり値段を気にして買うような商品でもないので、みなさん価格よりも写真などビジュアルを見て購入してくださっているんだと思うんですけど。
高橋:
最近は雑誌はミニサイズになっていく傾向がありますけど、判型が大きいというのもターゲットに合っていていいですよね。
内田:
それによって写真の迫力が出ているというのはありますよね。写真が伝わりやすくなっていて。判型が小さいものはどうしても物足りなさも出てしまうので。
遠藤:
じっくり家で読んで楽しみ、目的を決める。この本は持ち歩かない前提ですもんね。
昼間:
そうですね、ご当地ものなど行き先を決めているガイドブックではないので、読者は事前に眺めて行くこところを決めているという方中心なのではないでしょうか。ルートを決めて何をするというというよりかは、ここのご飯を食べに行く、ここの美術館にいくなど、1個ぐらいの目的があればいいんですよね。
遠藤:
買って1回の旅行で終わりではなく、何回も繰り返して利用されていそうですよね。毎回1個くらいの目的を決めて、今度はここに行ってみようか、という風に。だからこれを1冊家に置いておけば大丈夫、みたいな気持ちにもなる。
内田:
物産館や観光案内所なども今は多いので、旅先ではフリーの情報なども得ながら情報は併用活用していそうですね。
有藤:
持ち歩いたとしても、昭文社さんならではなんですけどこれは、とても地図が見やすいんですよね。
昼間:
文化的な背景なども書かれているので、読み物としていいですよね。
内田:
表紙からもその感じはたしかに伝わってきますね。
有藤:
わりとこれ1号目が出たとき、斬新だったんですよ。表紙がすごいシンプルで。
内田:
この表紙が季節関係なく通年で売れる要因の1つかもしれないですね。紅葉とか出されちゃうと時期がズレたときに売り場的に置きにくかったりしますし。
有藤:
ガイドブックというのは季節に影響を受けるので、発売の時期が重要な部分もありますが、これは行きたい時に行ける、というところがいいんでしょうね。
高橋:
たしかに時期を問わずにいつでも買いやすい。
遠藤:
旅行本のコーナー内にあるとこれが目立つんですよね。ほかがビジュアル重視の表紙が多いから。メインビジュアルのある表紙だと、イメージが付きすぎてそこに行きたいという目的動機のみ生まれるけど、この表紙だと文字を見ながらどこに行こうか選ぶ楽しみがありますよね。
有藤:
ターゲットをあえて絞って作るということも、今後数年は重要になってくるかもしれないですね。「大人」というターゲットはお金に余裕もあり、本を買う習慣も付いているので、その点はピッタリだと思います。
高橋:
「シニア」とは謳ってない、「大人」という表現もいいですね。
内田:
「50代からの〜」とか付いちゃうと狭まりすぎるけど、「大人」にはちょっと上質ないいところが紹介されている感じがありますね。

昼間:
旅の傾向ですけど、短期の旅行は「どこに行きたい」という場所よりも「これをしたい」という目的の方が優先されている傾向はあるかもしれないですね。
有藤:
美味しいもの、温泉、あとパワースポットも人気ですよね。目的としては。
遠藤:
アニメや映画の舞台やロケ地を巡る聖地巡礼とかも流行ってますしね。エンタメ発信の動機から、旅をするという流れも近年見えてきましたね。
内田:
エンタメの世界では映画も小説も「泣ける」というキーワードが売れるんですよね。その感情にさせるというものが流行っているところがある。だから提案としては「泣ける」ガイドブックなんてあったらおもしろいかもしれないですね。
高橋:
泣くってセラピーですもんね。たしかに泣きたいからこの本を読むとか、こういう感情になりたいというのが読書のきっかけになっている人も多いですよね。
内田:
そうそう、泣ける場所だけ集めるとか。笑えるスポットを集めるとか。わかりやすい効能を謳ってしまうんです。「この本読んだら目がよくなります」じゃないけど、付加価値があるといいですよね。
遠藤:
本来、作品に対してどういう感情を持つかは人それぞれで、それが読書の醍醐味なんですけどね、こういう気持ちになりたいという目的を求めている人は多いですよね。
昼間:
電車も単なる移動手段ではなくて、目的のひとつになりますよね。この車両からのこの景色、みたいなものも。
内田:
この本を買って実際に行っているのか、行ったつもりになっているのか、というところもあると思います。読んで贅沢気分を味わうだけでも楽しいですし。妄想旅行を楽しむというのも目的の一つですからね。

最後に各書店のみなさんにお願いし、『大人の小さな旅』シリーズについて、簡易的なポップを即興で書いていただきました。個性際立つポップを参考に、ぜひ本シリーズを実際に書店でご覧いただければと思います。

旭屋書店 http://www.asahiya.com/
リブロ http://www.libro.jp/
三省堂書店 https://www.books-sanseido.co.jp/
有隣堂 http://www.yurindo.co.jp/storeguide/
紀伊國屋書店 https://www.kinokuniya.co.jp/

大人の小さな旅シリーズの詳細はこちら

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