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  3. 昭文社とトリップアドバイザーがコラボ!『旅行なんでもランキング』制作秘話

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日本を含む世界45か国・28言語で展開され、総口コミ情報数2億件以上(2014年12月現在)を有する“世界最大の旅行口コミサイト”トリップアドバイザーが、この度、昭文社とコラボして「旅行なんでもランキング」を2014年11月に出版しました。本コラムでは、昭文社とトリップアドバイザーのコラボの妙味、そしてその制作秘話について迫ります。

プロフィール
三橋竜二(みつはし りょうじ)
トリップアドバイザー株式会社
シニアマーケティングマネージャー
※ライターとして、昭文社発刊の『トラベルストーリー』、『まっぷるマガジン』の制作に携わったこともある。

●トリップアドバイザー日本サイトはこちら

http://www.tripadvisor.jp/

“世界最大の旅行口コミサイト”トリップアドバイザーでは、旅のビギナーからエキスパートまで、どんな人の口コミも等価に扱っています。その上で、友達の口コミや各自の趣味や趣向に合わせて表示する絞り込みの機能はありますが、サイトに表示されているランキングなどは、基本的にあらゆる旅行者の意見を等価に扱い、世界共通で表示しています。例えば『日本編』の「外国人に人気の日本のレストラン」には銀座の高級寿司店と隣り合わせで渋谷のラーメン屋さんが並んでいます。宿泊施設も同様で、1泊数万円の高級ホテルチェーンと、個人経営の小さな旅館が並んでいます。これは、グレードやクラスではなく、支払った金額と得られた体験に対する、旅行者の満足度が基準になっているからです。こうした、さまざまなバックグラウンドを持つ旅行者の、ある意味で雑多な口コミから生まれる豊かな発想がわたしたちの武器だと思っています。ただ、この大量の情報群を一冊の本にどう分類・整理してまとめるか、というのが大きな問題だったんです。 この問題を鮮やかに解決してくれたのが、昭文社さまでした。基本的には、わたしたちが素材を提供し、昭文社さまにはその情報から書籍の内容を企画いただく、という役割分担で進行させていただいたのですが、まず驚いたのが、仕事が恐ろしく早いこと。素材提供をしてから、精度の高い企画をすぐにご提案頂けるのには非常に驚きました。一流の料理人は、食材を一目みれば、その食材に一番合った調理法が分かると言いますが、昭文社さまの仕事ぶりはまさにそれを彷彿とさせる、旅のプロフェッショナルとしての仕事だと感服いたしました。

一番苦労したところでもあり、こだわったところでもあるのが、「定義」の問題です。WEBにはない書籍限定のランキング、例えば『日本編』の「行ってよかった!日本の高原リゾートホテル10」の場合、標高何mから高原とするのかという問題がありました。一般的には600m以上から高原というらしいのですが、600mくらいだと実感として高原感が薄い、かといって1000m以上だと該当するリゾートが少なく、評価平均がやや低いものも選ばざるを得ません。そこで、本書では標高700m以上の地点にあるリゾートホテルを「高原リゾート」と定義しランキングにしました。他にも「ローカル線」をどこまでに含めるかという問題については悩みましたね。細かな違いのようですが、条件を少し変えるだけでランキングの印象がまるっきり変わってしまいます。「高原リゾート」のように、もはや感覚でしか決められない場合もあって、そんな時は昭文社さまからのご提案がとても参考になりました。長年地図を作り続けている昭文社さまだからこその「場所の分類」へのこだわりを、随所で感じましたね。

大地くん&りんごさんメモ「デリカテッセン?」
『世界編』では「世界の人気カフェ5」と「世界の人気ベーカリー5」を紹介していますが、WEBではピッツェリア、ティーハウス、デリカテッセンなど、日本人には耳慣れないカテゴリーがあるんだそう! この分類には、昭文社編集者も驚いたそうですよ!

実はもともと全ページランキングで一冊の本をつくる、というのは想定はなかったんです。コラボのお話を頂いて、いくつか企画案をお出しして(そういえばボツ案の中には『ことりっぷ』とトリップアドバイザーを組み合わせて『ことりっぷアドバイザー』という企画もありました 笑)、何度か打合せをさせて頂いていくうちに、昭文社さまからご提案頂いたんですよね。わたしたちにとっては灯台もと暗しというか、その手があったか!という感じでした。

実際出来上がった書籍は本当に素晴らしくて、社員一同みな感激。余談ですが、これまで社員のお父様・お母様、ましてやおじいちゃん・おばあちゃんに自分の仕事を説明する時、「旅行の口コミサイト」を運営していると説明しても、「なんのこっちゃ」というリアクションが返って来ていたのですが、今は“昭文社から出た”この本を見せるだけで納得してくれる。やはり「ものになる」というのは大きなことなんだと実感しました。

多分トリップアドバイザーから本が出る、と聞いてまず疑問に浮かぶのは「なぜWEBにすでにある情報をわざわざ本に?」なんじゃないかと思います。実はこの疑問は海外支社からもよく聞かれることで、それはこういった現象、つまりトリップアドバイザーから本を出しているのは日本だけだからなんです。ただわたしとしては、そもそも本とWEBって別物なんですね。同じ情報だとしても、まったく違うものになるんだと思ってます。 これはわたしの考えですが、本は最初のインスピレーションを得るためにはWEBよりも優れたツールだと思うんです。WEBは自分から取りにいった情報しか基本的には出てこないですよね。検索したキーワードに関連する情報のみがソートされてくる。でも本は、パラパラっとめくっていたら思わぬ発見や驚きがあって、それが旅の場合、行き先を決める理由になったりする。WEBは行き先が決まってからの情報収集には最適ですよね。だから、本とWEBはライバルではなくて、むしろパートナーのような関係なんだと思っています。 それは本書の制作でも改めて感じたところです。同業種によるコラボって意外と珍しいのではないかと思いますが、“集合知”のトリップアドバイザー(WEB)と“職人芸”の昭文社(本)というお互いの強みを生かせば、もっともっと面白いことができるのではないかと思っています。今回のプロジェクトはわたしたちとしても発見や驚きの多い、とても実りのあるエキサイティングなものでしたから、今後も第二弾・第三弾と昭文社さまと一緒にまた本をつくれたらいいですね。 わたしたちと昭文社はライバルでもあると思いますが、それ以上に旅行者のみなさんへ旅に有益な情報をお届けする同志として、日本のおでかけシーンを一緒に盛り上げていけたらと思っています。

オーリーからお知らせ「温泉アプリ登場!」
最近、トリップアドバイザーの日本向け特設ページ、温泉アドバイザーで、「温泉マッチング」というプログラムをリリースしました!温泉ビューティ研究家石井宏子さん監修の下、簡単な心理テストに答えるだけで、あなたが今行くべき温泉宿をおすすめ! 試しに是非やってみて♪

三橋さまにとって、旅ってなんですか?
『世界編』の「海外の人気ジャパニーズレストラン」を見ていてふと思ったんですが、日本人はジャパニーズレストランと聞くと、どれくらい「日本料理」に近いか、っていう視点で評価するじゃないですか。でも、それってなんか違うのかなって思うんですよね。海外には中にフルーツを入れた巻きものがあるそうなんですが、それだって食べてみたらとてもおいしいかもしれない。どれだけ自分の常識と近いかじゃなくて、違いをどう楽しむか、それが旅の醍醐味なんじゃないかと思うんです。そういう違いって実際にそこに行ってみないと、本当には分からないじゃないですか。旅を楽しむことは、違いを楽しむことだとわたしは思いますね。




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