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  3. 「ゲストハウスに泊まろう」出版記念 旅スタイルのサードウエーブ!ゲストハウスで ローカル&グローバルな旅にでかけよう

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ホテルとも旅館とも一味違うゲストハウスの魅力とは、「人とのふれあい」にあった?「外国人向けでしょ?」「リーズブルなだけじゃないの?」というこれまでのイメージを一新する、現代のゲストハウスの世界をご紹介します!

01.jpgゲストハウスとは、一般的に「素泊まりが基本でトイレやシャワーなどの施設が共同の、比較的安価な料金で泊まれる宿」のこと。厳密な定義があるわけではなく、日本ではホステルやバックパッカーズと呼ばれることもあります。バックパッカーが利用する相部屋の安宿、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

実はここ数年で、そんなイメージを覆す、新しいスタイルのゲストハウスが次々とオープンしていることをご存知でしょうか?
スタッフと宿泊者(ゲスト)や、ゲストと地域のお店や人を繋いでくれるようなイベントや試み、ゲスト同士の交流をサポートしてくれる仕掛けなど、いま注目されているゲストハウスに共通しているのは「交流」というキーワード。つまり、安く泊まれるというだけではなく、そのゲストハウスを通してスタッフ、宿泊者同士、そしてその土地のローカルな魅力に触れ合えるということが、ゲストハウス人気の大きな理由なのです!
 
ローカルの魅力に浸れるというだけでなく、独特のフレンドリーさやユニークな施設・設備、スタッフと宿泊者同士の交流への取り組みなどが評判を呼び、いまや「そのゲストハウスに泊まりたいからに旅行に行く!」という人たちもいるほどの人気です。
まさに第三の旅スタイル、ゲストハウス旅。今回はそんなゲストハウスの魅力に迫ります!

 
 
今回は、東京 馬喰横山にある「IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchen(イロリ)」
にお邪魔して、現代のゲストハウス人気の秘密や、日本ならではのゲストハウス文化についてお伺いしました。
 

 
IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchen(イロリ)
問屋街・馬喰横山に位置する、約70名が宿泊可能な大型ゲストハウス。独特のたたずまいの施設は服飾関係の問屋が事務所兼倉庫として使用していた、築約40年のビルを改装したもの。日本の既存資源に新たな価値を生む、株式会社R.projectの一事業として運営され、「もっとローカルな旅へ、もっと手づくりな旅へ」をコンセプトに、囲炉裏を囲んだ穏やかな交流が日々繰り広げられている。
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バジェットトラベル事業 
プロデューサー 
中尾 有希(なかお ゆき)
兵庫県神戸市出身。北海道大学工学部建築都市学科卒業。 リクルートホールディングスが運営する北海道じゃらん、世界最大の旅行口コミサイトTripAdvisorの日本法人で勤務したのち、アメリカ・シアトルにてリーダーシップ教育を行っているNPOにて経験を積み、帰国後の2015年6月よりR.projectに参画。自身も旅人として国内外2000~3000件の宿に宿泊した経験を活かし、IRORIのプロデュースを手がけている。
 
 
 
ゲストハウスブームの理由は、「交流する旅」という新しいスタイル

 
学生の頃から旅行が好きで、就職も旅行・宿泊関係。仕事柄安い宿から高級ホテルまで2000から3000軒程度は宿泊してきたと思います。旅人として、旅人と宿をつなぐ側として、そして今は宿側として、ずっと旅に関わってきました。
さて、ゲストハウス、ホステル、ドミトリー…いわゆる「安宿」の呼び方はいろいろですが、日本ではまとめて「ゲストハウス」と呼ぶことが多いですね。こうした宿は、2000年代になってからどんどん増えているな、というふうに感じます。日本にはもともと、低価格帯の宿や相部屋を中心とした宿があまりありませんでした。しかし、外国人観光客が増えてきたこと、日本人による国内一人旅の人気が高まってきたこと、など需要に対応する形でゲストハウスが増えてきたのではないでしょうか。
 
ただ、そういったゲストハウスが増えてきたことと並行して、日本人の旅の目的の一つに「交流」というものが台頭してきたことも、ゲストハウスブームの要因ではないかな、と思います。
 
 
 
 
個人的には、東日本大震災の大きな衝撃をきっかけとして「人とつながること」「コミュニティに参加すること」を無意識に求める人が増えはじめたのではないかと思います。そして、その潜在的な欲求が、日本人の旅先での過ごし方を変化させはじめたのではないでしょうか。
ゲストハウスでの過ごし方は、ホテルや旅館とは少し違います。スタッフのフレンドリーさもありますが、相部屋だったり、施設が共用だったりすることで、宿泊者同士の距離感がとても近い。挨拶を交わしたり、同じキッチンで食事を作ったり、雑談をしたり…これまで接点がなかった人と、ふとした瞬間に交流が始まる。
ゲストハウスを選ぶきっかけは利便性や価格帯でも、そんな体験に魅力を感じて「次もゲストハウスに泊まってみよう」「あのゲストハウスに泊まってみたいから、でかけてみよう」と思ってくださる方が増えていることは嬉しいですね。
 
 
日本の文化、囲炉裏(IRORI)を囲む。自然な交流を生む程よい距離感

 
IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchenは、東京駅まで総武快速線で2駅、成田空港と羽田空港へダイレクトに行ける、浅草橋駅からは秋葉原や両国も1駅という抜群のアクセスから、外国人観光客の方ばかりでは?と思われがちなのですが、宿泊の3-4割は実は日本人なんです。これが意外と良いバランスで、外国人と日本人、日本人同士、外国人同士と、それぞれが交流でき、どちらの立場からも居心地よく過ごしていただけているのではないでしょうか。
ゲストハウスビギナーの方、外国人宿泊者がほとんどのゲストハウスはちょっと不安、という方は、宿泊する前にどんなお客様が多いのか尋ねてみてもいいかもしれません。
 
さて、1階ラウンジには、その名の通り囲炉裏があります。囲炉裏というと、靴を脱いで畳や床に座って利用するようなイメージがあると思うのですが、こちらでは外国の人たちも使いやすいように脚をつけて、椅子に座って利用できるようにしています。宿泊者の方が朝食や夕食などで囲炉裏を囲んで食事を楽しめるほか、宿泊以外の方も参加できる、地方の食を楽しめるイベントなどで実際に囲炉裏を囲む機会もあります。
   
 
 
 
 
この囲炉裏はIRORIの象徴でもあり、IRORIらしい仕掛けでもあります。もともと、囲炉裏端は暖かな火を囲んで人々が語らうコミュニケーションの場。食事をしたり、お酒を飲んだりしながら、暖かい火を囲んでいると、知らない相手同士でも自然と話せるようになるみたいです。
それと、実際に座ってみるとわかるのですが、向かい側の人と近すぎない絶妙な距離感なんです。近いんだけれど、近すぎない。普段と少し違うこの感覚が、自然なコミュニケーションを後押ししてくれるはずですよ。

 
 
IRORIは「旅人と地方をつなぐ」ことをコンセプトとしています。
 

 
その理由は、IRORI Nihonbashi Hostel and Kitchenを運営する株式会社R.projectの事業姿勢にあります。R.projectでは、未活用不動産、たとえば地方では過去の公共事業で建てられた施設、首都圏など大都市圏では企業が所有するビルなどに地域外から人を呼び込むための様々なプロジェクトを行っています。そして、その一つがこのIRORI Nihonbashi Hostel and Kitchenなんです。
特別な観光地ではないけれど、人を呼び込みたい。となると、例えば既存の施設でイベントを積極的に行ったり、合宿などで人を受け入れたり、IRORIのように宿泊できるようにしたり…。でも、それだけだと賑わいは一過性のものになってしまいます。
仕事やイベントで遠出をしたら、せっかくだしその土地の美味しいものでも食べていこうか、って思いますし、「それならここがいいよ」「こんな由来があるよ」ってことを、教えてもらえると嬉しいですし、その土地のことを好きになれますよね。そういうローカルの魅力を発信する拠点に、ゲストハウスはぴったりなんです。
 

   
IRORIがある馬喰町は、日本の問屋街の歴史や文化が感じられる場所でした。それと同時に、江戸時代に日本橋が地方と江戸を結ぶ拠点でもあったんです。そんな背景もあり、海外から来た観光客にも、地方からここに訪れた日本人にも、日本各地の「ローカルな魅力」を伝えられる拠点になることを目指しているんです。
そしてそれは、私たちが各地の魅力的な人たちを招いてのイベントを行ったり、地方のガイドブックや情報誌を揃えたりするだけで実現されるものではありません。
IRORIを訪れた人たちが、それらをきっかけにして自分の故郷や、訪ねたことのある場所、そこで感じた魅力を互いに伝え合うことができてはじめて、IRORIは「拠点」である、と言えるのだと感じています。

 
 
私自身、ゲストハウスを使う旅は大好きで、海外のゲストハウスも何度も利用しています。そこで感じるのは「ゆるさ」。いい意味で、家にいるような感覚ですね。
スタッフもすごくオープンで、気さくに話してくれますし、ロビーの壁には決まって手書きのフリーウォーキングツアーの張り紙が。ツアーと言っても、日時と、主催者の名前が書いてあるだけ。時間になって人が集まっていれば出かけましょうといったようなゆるい観光案内です。そんなラフなイベントはありますが、みんなで集まって自己紹介しましょうとか、あえて交流を促すようなイベントはあまりありません。
基本的にはオープンな場なので、尋ねれば色々と教えてはくれますけどね。「ディナーに行くんだけど、この土地でオススメのお店はある?」と聞いて、教えてくれたのが3軒隣のバーガーショップだったりしたことも(笑)。
そういう海外のゲストハウスと比べると、日本のゲストハウスはサービスや、宿泊客へのもてなしが細やかですよね。
それに、どのゲストハウスでも「楽しんでほしい」という気持ちをもっていろいろな試みをしていると思います。例えば、建物をただきれいにリノベーションする、おしゃれなインテリアにする、ということだけではなく、その土地の木材を使ったり、昔の意匠を残したりして、インテリアや音楽、イベントなどを工夫しているところもあったりします。どこも、その場所その場所の魅力に触れる、交流できる自然な場作りをしていると感じます。
IRORIで開催するイベントも、試行錯誤しながら、楽しんでいただきやすい形式を模索しています。例えば最初の頃は、時間や参加人数を区切ったかっちりしたイベントを行っていたのですが、観光から帰ってきた宿泊者の方も途中から参加できるよう、ワンオーダー制のゆるいイベントにしたり、トークセッションの時間を調節したりと工夫を続けています。
 
◎ゲストハウス紹介サイトFootprints  を運営する 前田 有佳利さんに
 IRORIの魅力を聞きました!

女性編集長によるIRORIのここがおすすめ!

建物や設備などのハードはしっかり、接客や交流などのソフトはゆったり。IRORIは大きなビル型のホステルなのですが、どこか一軒家ゲストハウスのような“ゆるさ”があって、そのバランスがちょうど良いんです。スタッフさんは個性豊かで気さくな女性が多く、女性専用ドミトリー(相部屋)もあるので、女子ひとり旅のゲストハウスデビューにもおすすめ。IRORIで囲炉裏体験にハマったら、次は神奈川県の「鎌倉ゲストハウス」や長野県の「古民家ゲストハウス梢乃雪」など、実際ローカルにある囲炉裏を囲む宿をめぐってみても良いかもしれません。コンセプトにそって、東京にあるIRORIを起点に、もっとローカルな旅へ出かけてみてはいかがでしょうか。

前田 有佳利(まえだ ゆかり)
1986年和歌山県生まれ。2011年1月、ゲストハウス紹介サイトFootprintsをスタート。自身で泊まり歩きながら取材・執筆・撮影した、国内各地のゲストハウス120軒以上を掲載している。著書に『ゲストハウスガイド100』(ワニブックス)
http://footprints-note.com

 

 
  
 
 
 
 
ローカルとグローバルの魅力。偶然の出会いや交流を楽しんで!
 

2020年のオリンピックを控え、日本に訪れる外国人の方、特に個人旅行の方やリピーターの方がどんどん増えています。いろんな人が来てくれるチャンスが増えるということで、それはとても嬉しいことですね。
オリンピックの数ヶ月の間、宿泊業界全体でぐっと増えるであろうお客様を迎える準備をしていくことはもちろんですが、オリンピック以前も、以後も、変わらず一回一回の旅を楽しんでいただけるよう努力しなければと思います。
 
日本のゲストハウスはシェアハウスの延長にあるような気がするんです。帰ってきてくつろいでいると、シェアメイトが友達と一緒に帰ってくる。そこで、じゃあ一緒に話そうよ、ご飯を食べようよ、どんなことが好きなの?といった話から、自分が全く知らなかった世界とつながっていくことができる。
くつろげる居心地の良さ、細やかなサービスと、人とつながる温かみ。それらを是非体験してもらいたいと思いますし、私自身も、旅人感覚を持ってやっていきたいです。
 
 
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これから、日本各地で個性を打ち出したゲストハウスがもっともっと増えてくると思います。いくつか話を聞いているだけでも、「私も泊まりたい!」と感じる、ワクワクするような宿ばかりで、今から楽しみにしているんですよ!
R.project でも、12月に寝台特急「北斗星」の部品を使った「Train Hostel 北斗星」という宿がオープンします。寝台車ならではの2段ベッドや個室寝台の一部が再利用されるそうですし、それにちなんだイベントやサービスも用意されているようで、鉄道ファンの方からも期待の声をいただいています。
こんな風に、施設面でも、サービス面でも特徴ある宿の選択肢がどんどん増えて、「あのゲストハウスに泊まりに行ってみよう」という方が増えていくことを願っています!

 
中尾さんが話してくれたように、いま、日本人が旅に求めているのは、場所との出会いではなく、人や体験との出会いなのかもしれません。
リーズナブルな価格により間口は広く、人と人との距離が近いだけでなく、そこにしかないローカルな魅力を提供してくれるゲストハウス。そこでは、自分がそんな情報を受け取るだけでなく、「自分の故郷はこんなところで…」「以前行ったここもすごくいいところで…」なんて、自分の体験や自分しか知らない情報を発信することもできる場所でした。
相互のコミュニケーションで、情報が行き交う「旅の拠点」。ゲストハウス旅は、国内旅行をいつもよりローカル&グローバルな体験にしてくれそうですね。
 
 

 
旅を通じて日常の生活を変えてみたい、コミュニティをもっと広げたい、そんな旅がしたいな~と思い立ったら、11月29日発売の「ゲストハウスに泊まろう」で素敵な宿泊先をリサーチしてみてはいかがですか?
 
日本を旅する新しいカタチ、“ゲストハウス”の中から、20~40代の女性が「かわいい・カッコいい・オシャレ」と思える、オーナーや施設に特徴のある宿全国97施設を厳選して紹介しています。さらに巻頭特集では、「進化系ゲストハウス」をテーマに、セルフリノベーションのGOOD DESIGNな宿」、「近未来空間のような進化型ドミトリー(相部屋)」、「自然の景観を宿の魅力に取り入れた山宿・海宿」、「外国人や地元ローカルとの交流が楽しめる人や文化とつながる宿」などをピックアップ。こんな旅、こんな宿泊の仕方があったんだ!という宿情報満載のガイドブックとなっています。
 
きっと今の気分にぴったりな宿泊先が見つかるはずですよ♪
 

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