1. TOP
  2. コラム
  3. 登山用地図|『夏山シーズン到来』

コラム

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
間もなく夏山シーズン到来、地図の準備をお忘れなく!

かつては「厳しい男の世界」とされていた登山。でも最近は「山ガール」といった山好き女子の登場で、もっと手軽で、身近なレジャーへと変わりつつあります。ただ、あまりにも気軽な気持ちや準備ででかけるのは禁物!安全で快適な登山に必要不可欠な「登山用地図」を経験者から初心者向けまでご紹介します。

長年にわたり毎年改訂している登山用地図

昭文社の原点は「地図」です。書店では『まっぷるマガジン』や『ことりっぷ』といったガイドブックを目にする機会が多いかもしれませんが、正確で使いやすい「地図」こそ昭文社のアイデンティティだと思います。私が担当する『山と高原地図』は、1960年代半ばに出版された登山愛好家なら誰もが一冊は持っている登山用地図の定番中の定番。実は私自身も、学生時代に愛用し、『山と高原地図』の編集に関わりたいと思って昭文社に入社した経緯があります。

一般的な登山用地図が数年に一度しか改訂されない中、『山と高原地図』は毎年改訂を実施している唯一の地図です。山の景観は1年でそう大きく変わるわけではありませんが、小さな変化も積み重なれば、数年後には大きな変化になります。毎年の改訂で情報の正確さにこだわっていることが、多くの方の支持が集まる理由だと思っています。

実踏調査にもとづく改訂、情報鮮度にこだわる

改訂作業は実際に山に入って確かめる実踏調査からスタートします。地元の登山家たちを中心にした「著者」のみなさんに山に入ってもらい、ルートを歩き、以前と変化したところがあればもれなく記載して、その山の最新情報を集約した元原稿を制作してもらいます。かなり細かい指示や変更が書き込まれますが、その一つ一つの情報を個別に確認して精査していくことで『山と高原地図』ができあがっていきます。私の具体的な仕事は著者さんの元原稿を見て、赤を入れてきたルートに間違いがないか、コースタイムに無理はないかといった点などをチェックし、疑問があれば著者さんに直接質問して調整すること。地図や元原稿を見て問題点や確認すべきポイントに見当をつけ、登山する人の目線で、季節や天候など様々な場面を想定しながら地図の情報や表現を盛り込んでいきます。

プロが作った初心者向け登山用地図『はじめる山あるき』

そんな『山と高原地図』の制作で、半世紀近く積み重ねてきた専門的なノウハウを活かし、この春新たにデビューしたのが『はじめる山あるき』シリーズです。コンセプトはその名の通り、初心者のための登山用地図。脅かすわけではありませんが、山で遭難する一番の理由は道迷い。その中でも地図を持っていなかったという人が多いようです。登山用地図の存在自体を知らないこともあるでしょうが、読み方がよくわからない人も少なくないと思います。そうした方に、何とか地図に慣れてもらうきっかけとなるようなシリーズを作りたい。そんな想いから、登山の安全をサポートする地図本来の役割はしっかりと担いながら、登山ビギナーのみなさんにも気軽に楽しんでいただけるような、新しい山と高原地図シリーズ『はじめる山あるき』を企画しました。地図が苦手な方にも抵抗なく使っていただける工夫を随所に盛り込んでいますので、きっと幅広く受け入れてもらえるはずです。

『山と高原地図』と『はじめる山あるき』の特長

『山と高原地図』は、山に存在する多数のルートをすべて網羅していますが、初心者はどこを登ったらいいのかがまずわからないと思います。そのため『はじめる山あるき』では厳選した3つのコースを「はじめて」「ステップアップ」「チャレンジ」のレベル別で表示しています。また人気エリアだけを切り取ることで縮尺を大きくし、詳しい情報を盛り込んでいます。広域エリアをカバーする『山と高原地図』とは対象的に、『はじめる山あるき』は地図上に景観写真を入れ、迷いやすいところには拡大図まで掲載しています。裏面には写真入りのコースガイド、立ち寄りスポットのほか、登山の装備、山歩きのコツなど、登山に役立つ楽しい情報をたっぷり掲載しています。一方で、紙には『山と高原地図』、『はじめる山あるき』のどちらにも耐水性のあるユポ紙を採用しており、耐久性はバッチリです。

昭文社の山地図制作を担当する責任と役割

昭文社の山地図担当は、代々1〜2人のごく少数の担当に受け継がれています。それだけに責任と果たすべき役割の大きさも実感させられます。登山用地図はなにより安全に直接関わるものですから、制作にはかなりの緊張感をもって取り組むことになります。ただ、もちろん重責を痛感するだけではありません。『はじめる山あるき』シリーズや、女性向けの『東京近郊ミニハイク』など、登山のすそ野を広げるような商品を企画することは、登山愛好家の一人としてなによりの喜びです。美しい景色と解放感、そしてそこにいるだけで元気をもらえるのが山の良さです。山の良さを味わう人がもっともっと増えるように、そのきっかけを作ることが、私のやりがいでもありますし、昭文社の『山と高原地図』担当として果たすべき役割だと考えています。

関連商品

コラム一覧を見る


ページのトップへ